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2018年11月05日つばき谷の小道

つながること

障がい者アートに出展された作品には、「人と人とのつながり」を表現する作品が数多く登場する。

写真の作品は「とびだしたい」と題する貼り絵である。

地球から飛び出してどこへ行くのだろうか。

その時、お父さんお母さん、そして兄弟たち。

それだけではない、大好きな学校の先生、お友達、近所のおじさんやおばさんたち。

みんな一緒になって赤い風船をもって一斉に飛び立ってみたいのだ。

他にも、さまざまな色鉛筆を使って、大小の丸い輪がたくさん描かれている作品もある。

制作者に、これは何?これは誰?と尋ねると、お母さんやお姉さん、大好きなクラスメイト、アニメのキャラクターから子馬や象さんまで。

みんなしっかりと手をつなぎ、幾重もの輪になっている。

 障がい者アートへの取り組みは、単なる障がい者への理解や啓発活動ではない。

かれらの表現力や表現方法が、すべての人に「一人じゃないんだよ」「さみしくはないよ」と語りかけ、すべての人が求めている「つながり」や「結びつき」を表し、お互いが支えあうことの大切さに気付かせてくれる。

とかく邪魔者扱いされがちな子ども、高齢者、障がい者など生きることに困難のある人が、人間として大事にされる社会をめざす取り組みといえる。

人間と人間の関係が豊かになれば、人は生きているよろこびを感じながら人生を送ることができるのだ。

(髙橋 憲二)

「とびだしたい」

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